新設:2022-01-01
更新:2024-06-13
偶成 福澤諭吉
適適は豈唯風月のみならんや
渺茫たる塵界も亦天眞
世情説くを休めよ意の如くならずと
無意の人は乃ち如意の人なり
【通釈】
自分の意にかなうところを楽しむということは、なにも自然の美しい風景にのみ限ったことではない。
この広く果てしない俗世間も亦、ありのままの自然の姿なのである。
浮世のありさまに接して、どうもおもうようににならぬと言うのは止めなさい。
世間に対してなんの干渉をするつもりのない人こそ、かえって世間を自分の思うままにすることが出来る人なのである。
【出所】
社団法人日本詩吟学院岳風会(現公益社団法人日本詩吟学院)主催 1995年度「第41回夏季吟道講座(基礎講座)」テキスト8-9頁
【作者】
福澤諭吉(1835-1901) 号は雪池 また三十一谷人とも号し豊前中津藩福澤百助の末子として生まれた。大阪で緒方洪庵に蘭学を学び、江戸に蘭学塾を開き、また英学を研修、幕府使節に随行し3回欧米に渡る。慶應4年(1668)塾を慶應義塾と命名。明治15年(1882)「時事新報」を創刊した。独立自尊、経済実学を鼓舞した思想家・教育家
【吟詠】
小学生時代から詩吟研修に励み、2006年に慶應義塾大学入学と共に慶吟会再興に努めた成瀬綾君(2010年卒)が吟じる「偶成 福澤諭吉」を お聴き下さい
成瀬綾君は、慶吟会OB会学年幹事、(公社)日本詩吟学院 神静地区幹事(日本詩吟学院総本部役員)
漢詩 和歌 俳句 近代詩などの例示を収載した
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